ありがとう自分 第6話

いつもと違って今日は大事な日だ!時間をかけて準備して来たプレゼン資料、角からすみまで再度見返す。間違いがあったらただ事では済まない。

3ヶ月前、社長に呼びだされ、ビックプロジェクトを任されてしまった。「我が社の命運が掛かっている」、とんでもないことだ、入社10年目にしての大役。

 

 「オレに出来るだろうか?」弱気な自分と、「大丈夫、オレなら出来る」強気な自分がいる。でも何故だか分からないが「自分には出来る」と想えてくるのだ。なんの根拠も確証もないのに、このプロジェクトは成功すると・・・。

 

プレゼンまであと3ヶ月、不思議なことに適材適所の人材が集まる。会社の命運を担うプロジェクト、何かに導かれるように事が成してゆく。奇跡が起ころうとしている。目に見えない何者かの協力があるかのようだ。「大丈夫、必ず成功する」、何者からの声援が心に響く。

 

プレゼン当日、奇跡は起こった。その後、プロジェクトは大成功し、会社は見事V字回復を遂げたのだ。あの時の声は誰だったのか、今でも時々考える。あれは自分自身の心の声だったのかもしれない。「ありがとう自分」。

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