地球の遥か上空で 第15話

夕食後はリビングのストレスレスチェアに身を委ねてテレビを見ることが多い。いつもだと15分もすればウトウトしてきて、気が付くと居眠りをしている。今日は、普段とは違いその日の出来事を彼女と話していた。「不思議な人を見掛けたんだよね」、彼女は目を輝かせながら尋ねた、「えっ!それってどんな人?」、想い出そうと記憶をたどる。「うーん…」

 

次の瞬間、目の前の景色が一変し、まるでSF映画のような世界が広がっていた。足下には青く輝く地球、大きな窓の外には宇宙船が3隻浮かんでいる。「ここってまさか?宇宙船の中!」、驚きの展開、「きっと夢だ!」、頬をつねる。「ほ~ら、痛たくな・・・、痛ったたた!夢じゃない」、異常事態、何が起こっているのか?でも何故だか懐かしさを感じる空間でもある。「お帰りなさい」目の前に人が立っていた。「あっ!あの時の不思議な人!」

 

気が付くとリビングのイスの上、どうやら彼女が不思議な人のことを尋ねる少し前に戻ったようだ。「えっ!それってどんな人?」、彼女が先ほどと同じ口調で尋ねてきた。ちょっとふざけ気味に、「宇宙人かなぁ」と応えると彼女は、「冗談でしょ」と言って笑っていた。でも地球の遥か上空では地球人の行動を彼らはいつでも監視しているのかもしれない。

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