見えない協力者 第31話

頭で考えていても結果が出ない時がある。何度も何度も最悪な場面が脳裏を過る。解決策が無いか考えながら、無意識にコーヒーカップに手を伸ばす。香ばしいかおりが鼻孔を刺激し暫し、思考から解放される。

 

「ふぅうー」一呼吸おいてからまた解決策の見えない迷宮に挑む。何度も繰り返すうちに時間だけが過ぎ去り、半ば諦め掛けて居た時、「ドサッ!」と本棚の方から何かが落ちる音がした。

 

表紙を上にして開いた状態で一冊の本が床に落ちて居た。書棚に戻そうと手に取ると、その開いた頁に解決策が書かれていたのだ。でも「考え抜いたからこそそれが答えだと理解できたのだが…」それにしても誰があの本を床に落としたのだろうか?今でも謎である。

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