天変地異は自業自得? 第51話

 5月も終わろうとしている夜、家に帰ると梅雨入りを告げる精霊である蝸牛たちがリビングでくつろいでいる姿が目に飛び込んできた。「精霊:お帰りなさい、おじゃましています」と挨拶をした後、精霊たちは長旅の疲れを癒そうと、仮眠を取ろうとしているようだった。


 「お疲れのところ済みません、今年の梅雨はどうなんですか?」と尋ねてみると、精霊の中でもリーダーと思われる蝸牛が話し出した。「精霊:今年の梅雨入りは再来週頭頃になると思われますよ、大きく荒れることはありませんが、梅雨明けは7月中旬頃まで少し長めになりそうですね。」


 精霊の回答に少しホッとした反面、最近起こっている異常気象、早めの台風到来や火山噴火、大きめの地震等について、不安が過った。「梅雨は問題なくとも、天変地異はそう遠くない内に起こるのでは・・・」、取り越し苦労かもしれないが、精霊に訪ねてみたくなった。


 「精霊:人間は自然の流れにあらがいながら生きているので、もう少し流れに沿って生きられた方が良いと思いますよ。自然に則した生活、自然と共に生きると云った思いが大切です。人間が在って、自然が在るのでは無い点を認識して下さいね。あらがい続ければ、取り返しのつかない結末が待っていますよ。」


 自業自得、そんな言葉が頭に浮かんだ。天変地異は人間の自然へのあらがいの結果なんだと、その結末は火を見るより明らかである。自然に則した生活、共に生きることの大切さ、精霊との出会いはいつも何かを気付かせてくれる。

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