過去の自分に感謝 第28話

 今日は何だか体の疲れがひどく、早めに寝ることに、床に入るとすぐに瞼が重くなり、目を閉じると夢の世界へと吸い込まれるように誘われた。気が付くと眼前には、オムニバス映画を見ているような断片的な映像が広がっている。その映像のひとつ1つはどこか懐かしさを感じさせるものであった。

 

時には腰に刀を差し、足早に東海道を西に向かって旅している商人だったり、中世時代のナイト(剣士)で色々な国を転々としていたり、またヨーロッパのある国では金髪でブルーの瞳の女性だったりと、記憶の断片が何かのピースのように散りばめられている。いずれの登場人物もすべて自分であると瞬時に理解できるのである。

 

「これって前世の記憶?」、次から次ぎへと心地よい映像が流れて行く、いつの間にか深い眠りの中に入っていくのが分かる。深い眠りにつけばつくほど遠い過去世が展開されるのだ。次の日の朝、深い眠りから覚めると懐かしさだけが残っていた。体の疲れもすっかりとれ、清々しい気持ちで満たされている。そして過去の自分に「お疲れ様」と話し掛けたくなった。

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